【駒沢大学の小児矯正】子どもだからできる矯正治療とは?大人の矯正との違いを解説

お子様の歯並びについて、「まだ乳歯だから様子を見てもよいのだろうか」「大人になってから矯正すれば十分ではないか」と悩まれる方も多いでしょう。
矯正治療は大人になってからはじめることもできますが、成長期だからこそ取り組める治療もあるのです。
大人の矯正治療と子どもの矯正治療には、どのような特徴や違いがあるのでしょうか?
このコラムでは、小児矯正の特徴を解説し、大人の矯正治療との違いについてもご紹介します。

中村 拓人院長/川口 寛史院長
医院名:駒沢パーククォーター歯科・矯正歯科所在地: 〒154-0011
東京都世田谷区上馬3丁目18−7 駒沢パーククォーター2F
小児矯正は歯並びを整える土台づくり
矯正治療は歯並びを整えるために「歯を動かす治療」、というイメージがあるかもしれません。
しかし、小児矯正は歯を動かすだけではなく、将来の歯並びの土台づくりの意味合いを持っています。
ここからは、小児矯正の基本的な考え方や治療方法を見てみましょう。
小児矯正とは?

小児矯正とは、乳歯と永久歯が混在する時期から行う矯正治療をさします。
この時期に行う治療は「Ⅰ期治療」と呼ばれ、永久歯が生えそろってからの治療は「Ⅱ期治療」です。
Ⅰ期治療のころは、子どもの顎の骨やお口周りの筋肉が発達途中にあり、歯並びやかみ合わせに影響を与えやすい特徴があります。
小児矯正のⅠ期治療の目的も、将来永久歯がきれいに並ぶためのスペースを確保し、かみ合わせのバランスを整えることです。
歯並びの乱れは、歯や顎の大きさのアンバランスが一つの原因ですが、舌の位置や唇の使い方、口呼吸などの生活習慣も原因になります。
そのため、小児矯正では、歯を動かすだけでなく、顎の成長やお口周りの筋肉の発育を促すアプローチを行います。
成長に合わせた治療計画を立てることで、将来の歯並びを整える土台づくりをするのです。
小児矯正の治療法

小児矯正で用いられる治療法は、年齢や成長段階、歯並びやかみ合わせの状態によって異なります。
治療法の一つとして、「拡大床」という顎の成長を促す装置を使用します。
拡大床は取り外し式のもので、目立ちにくい矯正装置です。
決められた時間の装着が必要になりますが、学校生活や日常生活に配慮しながら進めることが可能です。
顎の成長には個人差があるため、矯正中は定期的にお口の状態を確認しながら治療計画を立てます。
矯正治療は、患者様からの協力が不可欠であるため、しっかりとお子様に治療の内容や必要性を理解してもらった上で進めることが重要です。
当院では、説明用ソフトを使用するなど、お子様や保護者の方が視覚的にわかりやすい説明を心がけています。
子どもだからできる矯正治療の特徴
ここからは、小児矯正の特徴を4つご紹介します。
【特徴1】顎の骨の成長を促すことができる

成長期に行う小児矯正では、顎の骨の成長を利用することが可能です。
顎の大きさや上下のバランスに配慮しながら治療を進めることで、顎の骨格が整うよう促します。
このような矯正治療は、成長期の顎の成長を活かして行うため、大人の方では同様のアプローチが難しい場合があります。
発育のスピードによって治療をはじめる時期が異なりますので、歯科検診でお口の状態を定期的に確認するとよいでしょう。
【特徴2】矯正による抜歯を回避できる可能性が高まる
歯をきれいに並べるスペースが不足している場合、大人の矯正治療では抜歯が検討されることがあります。
一方、小児矯正の目的の一つは、永久歯が生えるための十分なスペースを確保することです。
成長期に歯が生える土台となる顎のバランスを整えることで、永久歯が生えそろった際に、矯正による抜歯を回避できる可能性が高まります。
ただし、すべてのケースで抜歯が避けられるわけではなく、歯並びや顎の状態に応じて抜歯が必要になることもあるでしょう。
それでも、成長期から矯正治療を検討することで、将来的な治療の選択肢が増え、お子様の負担軽減にもつながります。
【特徴3】すこやかな成長をサポートできる

歯並びやかみ合わせを整えることは、口元の見た目だけでなく、発育面のサポートにもつながります。
しっかり噛めるようになる
歯並びが整うことで、上下の歯がしっかりかみ合うようになり、ものを噛む力「咀嚼(そしゃく)機能」が向上します。
噛む力が安定すると、食べものを細かく噛み砕きやすくなり、栄養を効率よく吸収できるのです。
また、しっかり噛むことで胃や腸などの消化器官への負担軽減にもつながります。
食事から十分な栄養を摂ることは、成長期の子どもにとって非常に重要です。
健康な歯と整った歯並びは、お子様の発育を支えるために欠かせません。
発音が明瞭になる
歯並びが乱れていると、発音がしづらく、会話が聞き取りにくくなってしまうことがあります。
特に、奥歯がかみ合っているのに前歯がかみ合わない「開咬(かいこう)」という不正咬合では、発音に影響が出る場合があるのです。
歯並びにすき間がある場合は、すき間から空気が漏れることで、特定の音が発音しづらくなることも考えられます。
矯正治療によって歯並びを整えることで、発音が明瞭になることがあります。
成長期にこうした環境を整えることは、学校生活や日常のコミュニケーションを円滑に進めることにつながるでしょう。
むし歯の予防につながる
2024年に実施された歯科疾患実態調査によると、5~14歳の乳歯と永久歯の両方を含めたむし歯経験を有する子どもの割合は28.6%、およそ3割にのぼっています。
参照:厚生労働省|健康日本21アクション支援システム~健康づくりサポートネット~「ライフステージ別にみたむし歯の特徴」>
むし歯予防には、毎日の歯磨きや定期検診が不可欠ですが、整った歯並びも非常に重要です。
歯並びがデコボコしていると、歯ブラシの毛先が当たりにくい箇所ができてしまい、磨き残しが増えてしまいます。
小児矯正で歯並びを整えることができれば、歯と歯の重なりが少なくなり、歯が磨きやすくなります。
大人になってからのむし歯予防にもつながるため、小さいころの矯正治療によって、生涯にわたって口腔環境を清潔に保ちやすくなるのです。
顔のバランスが整いやすい
顎の成長やかみ合わせの状態は、顔全体のバランスに影響することがあります。
かみ合わせがずれていると、片方ばかりで噛む癖がつくことがあり、顔のバランスが崩れやすくなるのです。
成長期に矯正治療をはじめることで、左右の顎で均等に噛みやすくなり、顎のバランスのよい発育につながります。
顎のゆがみを予防することもでき、顔全体の印象が整いやすくなるでしょう。
【特徴4】歯並びに影響する癖の改善につながる

子どもの歯並びの乱れには、日常の何気ない癖が関係している場合があります。
特に、成長期は、口腔周囲の筋肉や顎の発達が進むため、影響を受けやすい時期です。
ある調査では、日本人の子どもの30.7%が無意識にお口を開いてしまう「お口ぽかん」を示していたと報告されています。
このような状態が続くと、歯並びやかみ合わせに悪影響を及ぼすことがあるのです。
参照:新潟大学|子どもの“お口ぽかん”の有病率を明らかに-全国疫学調査からみえた現代の新たな疾病->
そのほかに注意が必要な癖には、次のようなものが挙げられます。
・お口が無意識に開いたままになる
・口呼吸が習慣化している
・指しゃぶりが続いている
・舌で前歯を押してしまう
・舌を前歯で噛んでしまう
・頬杖をついてしまう
・片側だけで噛む傾向がある
小児矯正では、歯並びに影響しやすいお口周りの癖を改善するため、マウスピース型矯正装置「マイオブレース」「プレオルソ」を使ったトレーニングを行い、歯並びの乱れを予防します。
成長期にお口周りの癖の改善を意識することは、歯並びを安定させるために大切な要素の一つです。
子どもの矯正と大人の矯正の違い

矯正治療は、年齢や成長段階によってさまざまな違いがあります。
ここからは、子どもの矯正と大人の矯正における、治療の目的や治療装置、治療期間の違いを解説します。
治療の目的の違い
小児矯正のおもな目的は、将来の歯並びやかみ合わせを見据えた土台づくりです。
成長期の顎の発育を促すことで、永久歯がきれいに生えそろうように歯が並ぶスペースを確保します。
歯を大きく動かすことよりも、歯が生えやすい土台を整える点が特徴です。
一方、顎の成長が完了している大人の矯正では、現在の歯並びやかみ合わせを改善することがおもな目的となります。
矯正装置によって歯を動かすことで、かみ合わせの調整に加え、見た目の改善をめざす治療です。
治療方法・装置の違い
小児矯正のⅠ期治療では、お口周りのトレーニングを行うマウスピース型矯正装置「マイオブレース」「プレオルソ」や、顎の成長を促す「拡大床」という取り外し式の矯正装置を使用します。
大人のワイヤー矯正やマウスピース矯正では、歯に力を加えて移動させる矯正装置が一般的です。
小児矯正におけるⅡ期治療は、永久歯が生えそろってからの治療になるため、大人と同じような矯正装置を使用します。
治療期間の違い
小児矯正は、成長期の利点を活かした治療法であり、開始時期の目安はお口の状態や成長段階によって異なります。負担軽減につながる場合もあるため、適切な時期は歯科医師にご相談ください。
一方、大人の矯正は、お口が健康な状態であればいつでもはじめることができます。
治療期間は、歯並びの状態によって異なりますが、数年程度かかることが一般的です。
※自由診療です。
※マウスピース矯正型矯正装置は完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
お子様の気になる歯並びは当院までご相談ください

小児矯正は、成長期の子どもだからこそできる治療法です。
治療開始のタイミングはお子様お一人お一人で異なりますので、定期的な歯科検診でお口の状態をチェックすることをおすすめします。
将来の整った歯並びのために、当院で矯正治療を検討してみませんか?




