Column コラム

根管治療は何回かかる?途中でやめないで~通院回数が必要な理由を解説~


 
根管治療とは、歯の根まで感染が広がった重度のむし歯に行う治療です。
「むし歯治療がなかなか終わらない。何回くらい通うもの?」
「むし歯治療の途中で痛みがなくなったから、もう通いたくないんだけど……」
根管治療に対して、このような疑問や不安をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんね。
根管治療は歯の内部の治療のため、外から見て進み具合がわかりにくく、「いつ終わるのかわからない」という点が不安につながりやすい治療でもあります。
 
当院は、根管治療において1回の診療時間を長めに設け、通院回数や期間の短縮に努めている歯科医院です。
 
今回は、「根管治療は何回かかる?どうして何回も通院しなければならないの?」という疑問に対して、

・回数が必要になる理由
・途中で治療をやめてしまうリスク
・最後まで通院することの大切さ

について、できるだけわかりやすく解説します。
 

院長

中村 拓人院長/川口 寛史院長

医院名:駒沢パーククォーター歯科・矯正歯科
所在地: 〒154-0011
東京都世田谷区上馬3丁目18−7 駒沢パーククォーター2F

 
 

根管治療の回数の目安はどのくらい?

まず結論からお伝えすると、根管治療の回数に明確な一律の目安はありません。
歯の状態や感染の広がり方、歯の根の形はお一人お一人で異なりますので、処置が必要な回数もそれぞれで変わります。
 
根管治療は1回で完了することは少なく、複数回に分けて行われることが多い治療です。
中でも、根管内に薬を入れて経過をみる「根管貼薬処置」に、回数がかかります。
これは、歯の根の中に残った細菌や感染物質を、1回の処置ですべて取り除くことが難しいためです。
治療の途中で薬を入れ、症状や反応を確認しながら、段階的に進める必要があります。
そのため、「何回の通院で終わるか」だけを先に決めることはできず、検査と診断を行った上で、その歯に必要な回数が判断されると考えておくことが大切です。
 
当院では、最大20倍の視野で細部まで確認できる歯科用顕微鏡「マイクロスコープ」や、効率的な処置を行える「NiTi(ニッケルチタン)ファイル」を導入し、治療回数や治療期間の短縮に努めています。
 
 

根管治療とはどのような治療?

根管治療とは、むし歯が進行し、歯の神経(歯髄)まで感染が及んだ場合に行われる治療です。
感染した歯髄や細菌を取り除き、歯の根の中を清掃・消毒した上で、再び細菌が入り込まないように封鎖します。
歯の根の中は非常に細く、複雑な形をしていることが多くあります。
根が曲がっていたり、枝わかれしていたりするケースもあり、外から直接確認することはできません。
そのため、根管治療は、

・感染の範囲を的確に把握する
・内部を丁寧に清掃・消毒する
・再感染を防ぐために密閉する

という工程を、慎重に進める必要があります。
根管治療の目的は、単に「痛みを取ること」ではありません。
根管治療を行うことで、抜歯せず、歯を残せることもあります。
歯を抜かずに残し、できるだけ長く使い続けることが、なにより大切な目的なのです。
 
 

なぜ根管治療には回数がかかるの?

ここからは、根管治療が1回の通院で終わらない理由を、具体的に説明します。
 

1.感染の状態を確認しながら進める必要があるため

根管内の感染は、肉眼で見て確認できるものではありません。
治療では、器具を使って感染した組織を除去し、薬剤で洗浄・消毒を行いますが、1回の処置ですべての細菌を完全に取り除けるとは限らないのです。
そのため、いったん薬を入れて経過を観察し、

・痛みや違和感が出ていないか
・炎症が落ち着いているか

といった点を確認しながら、治療を進めていきます。
 

2.歯の根の形には大きな個人差があるため

顔や体形が違うように、歯の根の形も患者さまお一人お一人で異なります。
根が1本の歯もあれば、2本・3本にわかれている歯もあり、細く湾曲している場合もあるのです。
このような構造の違いによって、清掃や消毒にかかる時間や回数が変わります。
特に奥歯は根管の数が多く、処置に時間がかかる傾向があります。
 
 

初回の根管治療が重要といわれる理由

根管治療では、初回の治療の精度が非常に重要とされています。
2021年に歯内療法の専門誌に掲載された学術論文では、初回の感染根管治療の成功率は約80%と報告されている一方で、再治療となった場合の成功率は約56%まで低下することが示されています。
再治療では、すでに歯が削られている、感染が複雑化しているなど、条件が厳しくなるためです。


参照:J-STAGE|日本歯内療法学会雑誌42巻(2021)1号「歯内療法の現状と新たな提案」>

 
このデータからもわかるように、最初の根管治療でどれだけ丁寧に処置を行うかが「歯を残せるかどうか」に大きく影響します。
もちろん、治療回数はむし歯の進行度にもよりますが、治療回数を減らすために工程を省略することに再発リスクを高めてしまう可能性があるのは明らかです。
このことからも、根管治療は通院回数の多さで、よいのかよくないのかを判断する治療ではないことがわかります。
歯を残す可能性を高めるためにも、必要な工程を一つ一つ丁寧に積み重ねていくことが重要な治療なのです。
 
そうした中でも、当院では、1回の診療時間を長めに設けることで、通院回数や期間の短縮に努めています。
 
 

痛みがなくなった=治療完了ではないので注意!

根管治療の途中で、痛みや腫れが落ち着くことは珍しくありません。
まずは応急処置で、痛みを取り除くよう配慮しますので、初回でほぼ痛みがなくなることは多いでしょう。
この段階で「もう治ったのでは」と感じる方もいらっしゃいますが、痛みが消えても、根管内の感染が完全になくなったわけではないのです。
痛みは、炎症が強いときに出やすい症状です。
治療によって炎症が一時的に落ち着くと、症状が軽減することがありますが、根の中に細菌が残っている場合も少なくありません。
根管治療では、

・感染源を除去する
・洗浄と消毒を行う
・再感染を防ぐために根管を封鎖する

という一連の工程を経て、はじめて治療が完了します。
途中の段階で通院をやめてしまうと、仮のフタのすき間や劣化部分から細菌が入り込み、再び感染が広がるリスクが高まります。
そのため、症状が落ち着いても、歯科医師から「治療完了」と説明を受けるまでは、通院を続けることが大切です。
 
 

根管治療を途中でやめてしまうと起こる恐れがあること

根管治療を途中で中断すると、次のような問題が生じる可能性があります。
 

1.再感染による症状の再発

一度落ち着いた痛みや腫れが、数週間~数ヶ月後に再び現れることがあります。
再感染が起こると、炎症が歯の根の先まで広がり、治療がより複雑になるケースもあります。
 

2.再治療になると成功率が下がる

前出の学術報告でお伝えしたように、初回の根管治療と比べて再治療になった場合、成功率は低下することが示されています(初回は約80%、再治療は約56%)。
また、再治療では、すでに削られた歯に対して処置を行うため、さらに大きく歯を削る必要がでてきますので、歯への負担も大きくなります。
 

3.最終的に抜歯が必要になる可能性

感染が繰り返されることで、歯の根が割れたり、周囲の骨まで炎症が広がったりすると、歯を残すことが難しくなる場合があります。

根管治療は、歯を抜かずに残すための治療であるからこそ、途中で通院をやめないことが重要です。
 
 

根管治療は「歯を残すための工程」として考えましょう

根管治療は、通院回数がかかる治療です。
しかしそれは、「時間がかかる治療」なのではなく、歯を守るために必要な工程を一つずつ積み重ねているからといえます。
むし歯の進行度によっては、根管治療を行っても残せないこともありますが、しっかりと処置を行うことでお口の中の細菌を減らし、周りの歯へ感染が及ばないようにする必要があります。
将来を見据えた「お口全体の健康にも役立つ治療」なのです。
治療回数がかかることを気にして通院を中断してしまうと、

・必要な処置を省いてしまう
・結果的に再発や再治療につながる

といったリスクが高まります。
大切なのは、「自分の歯の状態にとって、なぜその通院回数が必要なのか」ということを理解し、納得した上で治療を受けることです。
 
当院では、再発リスクを低減するためにも、しっかりと患者さまのお話に耳を傾け、わかりやすいご説明を心がける「インフォームドコンセント」を大切にしています。
気になることがあれば、どのようなことでもご質問・ご相談ください。
 
 

根管治療は回数より「最後まで治療を受けきること」が大切です

根管治療を最後まで続けるためには、治療内容だけでなく、通院しやすい環境の歯医者選びも重要です。
当院は、駅前にあるアクセスのよい歯科医院です。詳しくはこちらのページをご確認ください。
 
また、痛みに対する配慮として、表面麻酔や電動麻酔器を用い、麻酔時の刺激を抑える工夫も行っています。
 
根管治療の回数や通院について不安がある方は、当院までご相談ください。
検査結果をもとに、お一人お一人の状態について、わかりやすくご説明いたします。


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