Column コラム

顎関節症かもしれない症状とは?治し方は?原因についても解説


 
「口を開けると顎が鳴る」「顎が痛くて食事がしにくい」と、お困りではありませんか。
これらは「顎関節症(がくかんせつしょう)」という、顎の関節や筋肉の不調かもしれません。
 
今回は、顎関節症の原因や具体的な治し方について解説します。
 

院長

中村 拓人院長/川口 寛史院長

医院名:駒沢パーククォーター歯科・矯正歯科
所在地: 〒154-0011
東京都世田谷区上馬3丁目18−7 駒沢パーククォーター2F

 
 

顎関節症のよくある症状と治療の進め方

顎関節症とは、顎の関節や筋肉に痛みや違和感が出る病気です。
まずは、どのような症状が目安になるのか、一般的にどのような治療を行うのかをみていきましょう。
 

顎関節症を疑う3つのポイント

歯科医院では、おもに以下の3つの症状があるかどうかを確認します。

・顎を動かしたときの痛み
・顎を動かしたときに鳴る音
・口が大きく開かない

これらは、お口を動かしたときに耳の前や頬が痛んだり、「カクッ」という音が鳴ったりする状態を指します。
あるいは、指が縦に3本分入るほど口が開かなくなったりする状態も含まれます。
 

身体に負担の少ない治し方

現在の歯科医療では、まず身体に負担の少ない保存的な治療から始めるのが基本です。
いきなり歯を削るような、元に戻せない処置は行わないのが一般的です。

・スプリント療法(マウスピース)
・行動療法(クセの改善)
・物理療法(マッサージやストレッチ)

夜間にマウスピースを装着して顎の負担を減らしたり、日中の食いしばりのクセを意識して直したりする方法が中心となります。
また、専門的な指導のもとで筋肉をほぐしたりする方法も有効です。
 
 

顎関節症は複数の原因が重なって発症する

顎関節症の原因は一つではなく、いくつかの要因が積み重なって、身体の限界を超えたときに発症すると考えられています。

・もともとの顎の形やかみ合わせ
・歯ぎしりや食いしばりの習慣
・姿勢の悪さや生活習慣
・片側で噛むクセ
・頬づえなどのクセ
・うつぶせ寝などのクセ
・ストレスや不安による筋肉の緊張

これらが複雑に絡み合っているため、原因を一つに絞ることは難しいのが特徴です。
そこで、全体的な生活習慣を見直しながら、お一人お一人に合った方法で改善をめざすことが推奨されます。


参照:厚生労働省|働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」>

 
 

顎の不調に気づくための具体的なサイン

顎関節症の症状は、自分では気づかないうちに少しずつ進むことがあります。
早期発見のためにも、以下の内容を確認し、ご自身の顎の状態をチェックしてみましょう。
 

どのようなときに痛みが出るか

顎関節症の痛みは、安静にしているときよりも、顎を動かしたときに出るのが特徴です。

✔硬いものを噛んだとき、頬やこめかみが痛む
✔あくびなどで口を大きく開けたとき、顎の関節が痛む
✔耳の前や頬を指で押すと、痛みを感じる

このように「動かしたときに痛む」場合は、顎の関節や周りの筋肉に過度な負担がかかっているサインです。

顎から鳴る音の種類

顎を動かしたときに音が鳴る場合、その音の種類で状態を推測できます。

・「カクッ」「ポキッ」という音
・「ジャリジャリ」「ミシミシ」という音

「カクッ」という音は、顎の中にあるクッション(関節円板)がズレている際によく鳴る音です。
「ジャリジャリ」という音は、骨同士が直接こすれ合っている可能性があり、症状が進んでいることが考えられます。
 

お口がどれくらい開くか

健康な人の場合、お口は自分の指を縦に3本並べた分くらいは開きます。

✔指が縦に2本入らない
✔開けようとすると顎が左右に歪む
✔途中で引っかかる感じがある

これらに当てはまる場合は、顎の関節がスムーズに動いていない可能性が高いため、早めに歯科医師へ相談することをおすすめします。
 
 

顎関節症を引き起こす生活の中の要因

顎の不調は、日々の何気ないクセの積み重ねから起こります。
おもな原因についてもみていきましょう。
 

歯を接触させるクセ(TCH)

近年、注目されている原因の一つに、TCH(上下歯列接触癖:Tooth Contacting Habit) があります。
本来、何もしていないとき、上の歯と下の歯は1mmから3mmほど離れているのが適切な状態です。
 
しかし、パソコンやスマートフォンに集中しているときに、無意識に歯を接触させ続けてしまうクセがある方もいます。
たとえ弱い力であっても、長時間続くと顎の筋肉が常に緊張し、関節に大きな負担がかかり続けます。
 

歯ぎしりや食いしばり

寝ている間の歯ぎしりは、自分の体重以上の力が歯や顎にかかることもあります。
これを毎晩のように繰り返していると、顎の関節が傷ついたり、周りの筋肉が疲弊したりします。
結果として、顎関節症を引き起こしやすくなるため注意が必要です。
 

姿勢の乱れや日常のクセ


・猫背や、頭を前に出した前傾姿勢
・頬杖をつく習慣
・左右どちらか一方だけで噛むクセ

これらは顎の位置を不自然に変えてしまい、左右のバランスを崩す原因となります。
また、精神的なストレスも無意識の食いしばりを招き、症状を悪化させる一因となるといわれています。
 
 

歯科医院で行う検査と診断

顎の不調を改善するためには、まず原因を探ることが重要です。
 

お口の動きと筋肉のチェック

まずは、口の動きを直接確認します。
どれくらい口が開くかを測定し、顎を動かすときに左右にぶれがないかを調べます。
また、顔周りの筋肉を丁寧に触れて、どこに痛みがあるのかを確認します。
筋肉が硬くなっていないかを確認することも、診断において欠かせないプロセスです。
 

歯科用CTによる詳しい診査

従来のレントゲンでは見えなかった顎の骨の状態を、3次元で撮影できる歯科用CTを使って精密に調べます。
顎の骨の形に変形がないか、骨の密度に問題がないかなどを判断するのが目的です。
精密なデータを得ることで、お一人お一人に合った治療方針を立てることが可能になります。
 

お悩みや生活習慣のヒアリング

「いつから症状が出たのか」「どのような生活習慣があるのか」などを詳しくうかがいます。
仕事の環境や睡眠の状態なども踏まえ、患者様と一緒に改善策を考えていきます。
 
 

顎関節症の治療法

診断の結果に基づき、無理のない範囲で治療を始めていきます。
 

マウスピースによる治療(スプリント療法)

歯科医院で作るオーダーメイドのマウスピースを、おもに寝るときに装着する方法です。
マウスピースを使うことで、寝ている間の食いしばりによる顎への圧力を逃がすことが目的です。
これによって関節や骨を守り、筋肉の緊張を和らげる効果も期待できます。
装着感についても丁寧に調整を行い、痛みの軽減につなげていきます。
 

筋肉をほぐすアプローチ

症状によりアプローチの方法は異なりますが、

・電気刺激による筋肉の緩和
・患部を温める温熱療法
・歯科医師の指導によるストレッチ

などを通じ、筋肉をリラックスさせたり、温めて血行をよくしたりすることもあります。
また、症状に合わせて、安全な顎の動かし方を練習することもあります。必ず担当医師の指示に従って行うようにしてください。
 

毎日の生活習慣のアドバイス

自分では気づかないクセを直していくことも立派な治療です。
日中に歯が触れていないかを意識するようにしたり、痛みが強い時期は硬いものを避けたりすることが大切です。
顎を休ませるように意識するだけで、症状が和らぐこともあります。
無理のない範囲で、日常生活の中でできるケアを提案します。
 
 

顎の不調を放置することの怖さ

「少し音が鳴るだけだから」と様子をみているうちに、症状が悪化する可能性もあります。
 

顎の骨が変形してしまう

顎への負担が長く続くと、顎の骨そのものの形が変わってしまうことがあります。
そうなると、かみ合わせが急に変わってしまうリスクがあります。
特定の歯に負担がかかってしまい、歯を失う原因にもなりかねないため、早めの対応が大切です。
 

全身の不調につながる

顎の筋肉は、首や肩、頭の筋肉ともつながっています。
顎関節症を放置すると、取れない肩こりや頭痛、めまい、耳鳴りといった不調を招くこともあります。
全身の健康を守るためにも、顎の違和感を軽視しないことが重要です。
 
 

これからも笑顔で過ごすために

顎関節症は、身体のバランスが崩れているという一つのサインです。
早めに相談すれば、比較的負担の少ないケアで 改善することもある病気です。
 
「顎に違和感があるけれど、どこに相談すればいいか分からない」という方も、まずは歯科医院へ足を運んでみてください。
丁寧なカウンセリングと精密な診断を受けることからはじめますので、健康なお口を取り戻す一歩を、今日から踏み出してみませんか。
いつまでもおいしく食事ができ、笑顔で過ごせる毎日を一緒に守っていきましょう。


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